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第一種電気工事士が出来ること、出来ないこと
前回の第二種電気工事士ができることできないことでお伝えしたように第二種電気工事士は電気工事が行えるもののその工事の範囲は限定的なものであるということでした。
600V 以下の一般電気工作物に限定され、工場や大規模店舗、自家用電気工作物を扱うことはできませんでした。
もしそういったものを扱う場合は第一種電気工事士の資格が必要です。
第一種電気工事士が行える電気工事の範囲は以下のものです。
1,一般用電気工作物の電気工事
2,自家用電気工作物のうち最大電力500 キロワット未満の電気工事
ですから第二種電気工事士が一般住宅や小規模店舗の電気工事しか行えないのに対して第一種電気工事士はそれらに加えて大きなビルや工場や大型店舗などの電気設備の工事も行うことができますので、幅広く対応できます。
ですから今後ご自分がどこまでの電気工事を行う必要があるかによって第二種でいいのか、第一種まで取得する必要があるか判断できるでしょう。
基本的に一般住宅の電気工事や自宅の修理の際にDIYで電気を扱う場合は第二種電気工事士の資格で十分かもしれません。一方、特に電気の仕事につくつもりで資格を取得するなら第二種では行える工事が限定されてしまうので、幅広く仕事を受けるためにも第一種電気工事士の資格を取得しておくと良いでしょう。
以前ある人が言っていましたが、第二種電気工事士は原付免許のようなものだとすると、第一種電気工事士の資格は普通自動車免許位の違いがあると表現していましたがたしかにそのくらいの違いがあるのかもしれません。
また第一種電気工事士の資格取得は第二種よりハードルが高いため誰でも簡単に取得することができないということも覚えておく必要があります。
試験が難しいということもありますが、それだけではなく、たとえ試験に合格しても実務経験がないと免許をいただけないという点が第二種電気工事士とは大きく異なっています。
ですから第二種電気工事士資格はDIYのためにでも試験に合格すれば取得することができますが、第一種電気工事士は実務経験が5年、専門学校卒の場合は3年必要で、実務経験とみなせる工事も指定があるので実際に電気の職業に携わったりしていないとなかなか実務経験を得ることは難しいですよね。第一種電気工事士は幅広い電気工事を行えるようになるわけですからそのような実務経験が必要なのは安全上大切なことですね。
もっとも第一種電気工事士試験は学齢、職歴、年齢などの制限はなく誰でも受験できます。ですから第二種電気工事士の試験を受けないでいきなり第一種電気工事士の試験を受けることも可能です。ただ、第一種電気工事士試験に合格しても実務経験がないと免許がもらえないので、実質電気工事が行なえません。
ですからまずは第二種電気工事士の免許を取得してその後第一種電気工事士試験に合格し、その後実務経験を積んで第一種電気工事士免許を取得するという流れが一般的なのではないかと思います。
またこのような電気工事士の最上位の資格と言える第一種電気工事士免許ですが、その資格取得者にも行えないことがあることも覚えておく必要があります。
例えば、第一種電気工事士が扱える自家用電気工作物のうちネオン工事や、非常用予備発電装置を扱う工事には従事することはできません。それらにはまた別の資格、特種電気工事資格者(ネオン工事)と特種電気工事資格者(非常用予備発電装置)の資格が必要になりますので注意が必要です。